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スレート塗装で必須のタスペーサーとは|役割・費用相場をプロが解説
はじめに
屋根塗装工事の見積もりで「タスペーサー」という言葉を目にして、「タスペーサーって何?」と思ったことはありませんか?今回は、屋根塗装で重要なタスペーサーについて、初心者の方にも分かりやすく解説します。
1章 タスペーサーとは|雨漏りを防ぐ縁切り部材
タスペーサーは、セイム株式会社が製造する屋根と屋根の間に隙間を作る「縁切り部材」です。屋根塗装後に雨漏りを防ぐための重要な部材です。
- 縁切りとは?
- 新築時には屋根と屋根の間に隙間があり、雨水が流れますが、塗装後は隙間が塞がってしまいます。この状態を放置すると、屋根内部に水が溜まり、雨漏りや内部結露の原因となります。そのため、塗装後に「縁切り」作業が必要です。
- タスペーサーの役割
- タスペーサーを使用することで、①塗装後も隙間を確保し、②作業時間を短縮し、③見た目も綺麗に縁切りができます。
2章 タスペーサーが必要な屋根の種類
2-1 入れるべきは「スレート屋根」
タスペーサーの挿入が必要なのは、主にスレート屋根(コロニアル・カラーベスト)です。スレート屋根は薄い屋根材で、塗装後に屋根同士がくっつきやすいため、タスペーサーが必須です。
2-2 スレート屋根でも施工不要のケース
以下の場合、スレート屋根でもタスペーサーは使用できません。
- 屋根の傾斜が緩すぎる
- 屋根の傾斜が3寸勾配(約17度)未満の平らな屋根にはタスペーサーは使用できません。この場合は塗膜カッターでの縁切りが必要です。
- 屋根材が反っている
- 屋根が劣化して反り上がり、3~4mm以上の隙間がある場合、タスペーサーは挿入できません。この場合は縁切り作業が不要です。
3章 タスペーサーの単価相場は300~600円/㎡
タスペーサーによる縁切りの単価相場は300~600円/㎡です。30坪(約80㎡)の屋根の場合、24,000~48,000円が目安です。従来の塗膜カッターによる縁切りよりもコストが抑えられます。
4章 タスペーサーの正しい施工方法
4-1 取り付け方
タスペーサーの正しい取り付け方を解説します。
- 幅が60cmの屋根の場合(シングル工法)
- 片側から10~15cmのところに1つ取り付けます。
- 幅が90cmの屋根の場合(ダブル工法)
- 両側から10~15cmのところに1つずつ取り付けます。
4-2 取り付けるタイミング
タスペーサーは、屋根の下塗り後に取り付けます。まれに高圧洗浄後に取り付ける場合もあります。取り付け後にタスペーサーが外れることがありますが、縁切り機能には問題ありません。
まとめ
いかがでしたか?タスペーサーは、屋根塗装後に雨漏りを防ぐための重要な部材です。特にスレート屋根の塗装では欠かせません。タスペーサーの単価相場は300~600円/㎡で、従来の縁切り作業よりもコストが抑えられます。知識のない業者に依頼すると、タスペーサーが正しく施工されないことがあります。タスペーサーの知識を身に付けて、安心して屋根塗装工事を進めましょう。