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天井のシミやカビの原因を徹底解説:雨漏り以外にもある原因とは?

天井にシミやカビが発生する主な原因として雨漏りが挙げられますが、それ以外にも多くの要因が関係しています。この記事では、雨漏りやその他の原因による天井のシミやカビについて詳しく解説し、実際の確認方法や修理方法をご紹介します。

1. 雨漏りが原因でシミができた事例

建物情報とヒアリング
  • 建物の構造:木造軸組み構法2階建て
  • 外壁:サイディング通気構法
  • 屋根:軒ゼロ

あるお宅では、過去に2階の天井で雨漏りが発生しました。修理のため他業者が屋根をガルバリウム鋼板で立平葺きに施工したものの、雨漏りは止まらず、天井のシミは広がり続けていました。

目視確認および散水調査
  • 確認結果:小屋裏(屋根裏)で外壁の二次防水に雨水が流下したシミを発見。
  • 仮説と検証:壁とケラバの取り合い部分が問題であると仮説を立て、散水調査を行った結果、仮説通りの箇所が雨水の浸入口であることが確認されました。
修理方法

軒ゼロの設計にもかかわらず従来の施工方法を採用したこと、さらに屋根施工業者の知識不足が雨漏りの原因でした。ケラバと壁の二次防水を適切につなぎ合わせ、防水の連続性を確保することで、雨漏りを完全に止めることができました。

2. 雨漏り以外の天井のシミやカビの原因

小屋裏(屋根裏)の結露
  • 原因:室内の暖かい空気が天井を抜けて小屋裏に到達し、冷やされて結露が発生します。この結露水が天井裏に落ちることでシミとなります。
  • 詳細
    • 天井断熱の結露:天井断熱が不十分な場合、室内で暖められた空気が上昇し、小屋裏で冷やされて結露が発生します。
    • 屋根断熱の結露:屋根断熱が不十分だと、湿った空気が屋根断熱まで達し、野地板と断熱材の間で結露します。この結露水が天井裏に落ちてシミとなります。
  • 対策:適切な通気層の設計や断熱材の使用により結露を防ぐことが重要です。
すが漏り
  • 原因:寒冷地で冬場に屋根裏で水蒸気が凍結し、春先に溶け出して雨漏りのようになる現象です。
  • 詳細:すが漏りは、気候が穏やかな地域ではまれですが、屋根裏に水蒸気がたまる状況はどの地域でも同様です。
  • 対策:屋根裏の換気を改善し、空気の循環システムを採用することが推奨されます。
小動物の糞尿
  • 原因:ネズミやハクビシンなどの小動物が天井裏に侵入し、糞尿をすることでシミが発生します。
  • 詳細:小動物の糞尿は、特有の臭いや天井裏での音で気づくことができます。
  • 対策:小動物の侵入を防ぐための対策を講じることが必要です。
化粧合板(ラミネート天井)
  • 原因:化粧合板(ラミネート天井)が経年劣化により、接着剤が表層に移行してシミが発生することがあります。
  • 詳細:化粧合板は木目のプリント合板に貼り付けた天井板であり、経年劣化とともにシミが発生しやすくなります。
  • 対策:適切な施工方法と材料の選定が重要です。

3. 天井のシミを自分で確認する方法

  • 手順
    1. 点検口の設置:シミのある位置に近い点検口を設置します。既存の点検口がない場合は新たに設置します。
    2. 目視確認:点検口から小屋裏を確認し、野地板や垂木、天井材に雨水のシミや濡れ跡がないか確認します。
  • 注意:点検口の設置が難しい場合は、押入れなどの目立たない場所に設けることも検討してください。

4.プロが行う本格的な調査

  • 方法
    • 赤外線カメラ:温度差を利用して水分の含有箇所を特定します。
    • 水分計:含水率を測定し、湿気の多い箇所を確認します。
  • 注意:小屋裏での作業は危険を伴うため、プロに任せることが推奨されます。天井裏の骨組みに足をかける場所が限られているため、誤って天井を抜いてしまう可能性もあります。

5. できてしまったシミやカビを補修する方法

  • 方法
    1. 天井材を張り直す:大掛かりな工事となり費用が高くなります。
    2. クロス(張り紙)を貼る:見た目も自然で費用も比較的安価です。ただし、天井材に直接クロスを貼ると剥離することがあるため、下地材を施工してからクロスを貼ることが推奨されます。
  • 費用:6畳間の天井クロス施工で約12万~15万円程度(税別)が目安です。

6. まとめ

天井のシミの原因は雨漏りだけでなく、結露や小動物の糞尿など多岐にわたります。それぞれの原因に応じた適切な対策が必要です。工事を依頼する際には、予備知識を持って相談することで失敗を防ぐことができます。

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