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建物の構造別 雨漏りの原因と対策
目次
- RC造の建築物の雨漏りの原因と対策
- RC造の雨漏りの主な原因
- コンクリートの劣化
- RC爆裂のプロセス
- 水の性質による漏水
- 予期せぬ箇所の雨漏り
- RC造の雨漏りの主な原因
- RC造における雨漏り対策の代表的な工法
- 鉄骨造の雨漏りの主な原因
- 外壁材のおさまり部分
- 錆の進行による鉄部の劣化
- 木造の雨漏りの主な原因
- 劣化・腐食・たわみ・経年変化
- コーキングの劣化
RC造(鉄筋コンクリート造)の建築物の雨漏り
RC造の雨漏りの主な原因
- コンクリートの劣化
- 時間の経過とともにコンクリートが風化し、亀裂が生じる。
- 鉄筋が錆びて膨張し、コンクリートが剥がれ落ちる現象。
- 水分がコンクリートに浸透し、内部の鉄筋を錆びさせる。
- 構造の劣化や施工の不備により、思いがけない場所で雨漏りが発生することがある。
RC造における雨漏り対策の代表的な工法
- 防水塗装
- コンクリート表面に防水塗料を塗布し、水の浸透を防ぐ。
- 補修工事
- 亀裂や剥がれを修繕し、鉄筋の錆びを防止する。
- 定期点検とメンテナンス
- 定期的に構造物をチェックし、早期に劣化箇所を発見して修繕する。
鉄骨造の建築物の雨漏り
鉄骨造の雨漏りの主な原因
- 外壁材のおさまり部分
- 外壁材の接合部や隙間からの水の浸入。
- 錆の進行による鉄部の劣化
- 鉄部が錆びて脆弱化し、雨漏りが発生しやすくなる。
木造の建築物の雨漏り
木造の雨漏りの主な原因
- 劣化・腐食・たわみ・経年変化
- 木材が経年変化や湿気により劣化し、雨漏りが発生。
建築物共通の雨漏りの原因
コーキングの劣化
- コーキング材の寿命
- コーキング材が劣化し、隙間から水が浸入する。
構造別の法的な耐用年数と建替え時期の目安
- RC造
- 耐用年数:47年(減価償却期間)
- 施工・メンテナンスが良ければ60年以上
- 鉄骨造
- 耐用年数:34年
- 木造
- 耐用年数:22年
用語説明
RC造とは?
- Reinforced Concrete(レインフォースド・コンクリート)
- 補強されたコンクリートで、鉄筋コンクリート造のこと。
RC造の特徴
- 圧縮に強いコンクリート
- 重さに耐える。
- 引っ張りに強い鉄筋
- 曲げや引っ張りに耐える。
RC造の耐久性
- 減価償却期間:47年
- メンテナンス次第で60年以上の寿命。
RC造(鉄筋コンクリート造)の建築物の雨漏りの原因と対策
RC造の雨漏りの主な原因
RC造は、鉄筋を配した型枠にコンクリートを流し込んで作られます。しかし、施工時にミキサー車の渋滞や段取りミスが発生すると、最初に打ったコンクリートと次のコンクリートの間に隙間や変質したラインができることがあります。この部分を「コールドジョイント」と呼び、雨水が染み込みやすく劣化が急速に進行します。
また、流し込んだコンクリートが隅々まで浸透せず、砂利が浮き出てしまっている状態を「ジャンカ」と言い、構造の不安定さとともに、雨水の浸透が進み建物の劣化の原因となります。
コンクリートの打ち放しによる失敗の一例
- ジャンカ
- コンクリート流し込み時のバイブレーター不足
- 複雑な設計の場合に発生しやすい
- コールドジョイント
- 現場監督のミスや二次打込みのタイムロス
- 雨・雪・型枠のおが屑などの影響
コンクリートの劣化による影響
コンクリートは最初「アルカリ性」ですが、空気中の炭酸ガスを吸収し年に0.5mmずつ中性化していきます。表層の防水を怠ると中性化が促進され、雨水の浸透によりボロボロの状態になります。内部の鉄筋が腐食し、構造に深刻な影響を与えます。
RC造(鉄筋コンクリート造)の断面図
- 施工直後
- コンクリートはアルカリ性
- 築60年経過
- 60年でコンクリートの中性化が鉄筋に到達
- 錆びた鉄筋が膨張し、コンクリートに亀裂を生じさせる
RC爆裂のプロセス
コンクリートの劣化は深刻な雨漏りの原因となります。一番の対策は、表層防水によりコンクリート自体を風雨から守ることです。
雨水の浸透により鉄筋に錆が発生し、膨張してコンクリートを押し上げます。さらに進行すると爆裂につながり、雨漏りの原因となります。
水の性質による漏水
- 毛細管現象
- 下部からの浸水が上部に染み出すことがある現象
- 水漏れが発生すると、上部ばかりを気にして本質的な発見が遅れることがある
構造物の劣化により予期せぬ箇所が雨漏りする場合も
雨漏りの原因は、必ずしも真上の上層階からとは限りません。構造物の劣化により、亀裂から浸透した水がパイプスペースやパイプそのものを伝い下層階に被害を及ぼすケースが多発しています。
例えば、下層階の押し入れ天井の雨漏りで天井を剥がしても原因がわからない場合があります。何箇所も解体しても原因がわからず、最終的に洗面器で対処することもあります。このような場合、湿気による室内造作の腐食や建物躯体の損傷が進行し、更なる被害に発展します。
雨漏りの原因究明は、固定概念を捨ててあらゆる可能性を模索することから始まります。多くの現場を見てきた専門家なら、経験を基にいくつかの可能性を導き出すことができます。
雨漏り対策工法のご紹介
- 屋上防水
- 特徴
安価で、どんな形状の場所でも使用可能
液体状のウレタン樹脂を複数回塗布して防水層を形成 - 注意点
簡易に施工できるため、施工業者の技術力にばらつきがあり、欠陥工事のリスクがある
- 特徴
- アスファルト防水
- 特徴
古紙や不織布にアスファルトを浸透・被覆して加工したシートを使用
熱工法、トーチ工法、常温工法などに分類される - 注意点
低温下でもろくなるため、下地の動きに弱く、臭いの問題がある
- 特徴
- シート防水
- 特徴
紫外線や熱に耐久性があり、塩ビシートやゴムシートが主流
近年はポリエチレンシートも注目されている - 注意点
工事の難易度が高く、信頼できる施工業者が少ない
塩ビシートやゴムシートは可塑剤を含むため、耐用年数が短い
- 特徴
鉄骨造における雨漏りの原因と対策
鉄骨造の雨漏りの主な原因
最も多い原因は、構造体より外壁材のおさまりの部分です。パネル同士の接合部分に隙間ができやすく、コーキング材で風雨を防いでいますが、鉄骨は揺れます。そのため、侵入した水や結露が鉄骨をサビさせ、劣化や躯体のゆがみにつながります。
コーキング材の劣化
- コーキング材は約10年で硬化し、収縮して隙間ができます。この隙間から雨水が浸入します。
外壁パネルの劣化
外壁のパネル材にヒビが入り、雨水が浸入するケースがあります。
- 錆による劣化
風雨や漏水、内部結露により、下地材に錆が生じ、鉄部の劣化につながります。
- 対策方法
定期的なメンテナンスが重要。コーキング材や外壁の状態をチェックし、劣化が見られたら早めの修復を行うことが必要です。
鉄部の錆を定期的に除去し、防錆処理を行うことで、鉄骨の寿命を延ばします。
木造建築の特徴と耐震性について
木造建築の特徴
木造建築は、構造上主要な部分に木材を用いた構造のことです。代表的な工法には、軸組構法、ツーバイフォー工法、木質ラーメン構法、丸太組構法などがあります。構法は柱や梁などの木軸材の組み方を指し、工法は建設プロセスの方法を示します。
在来工法
柱や梁、筋交いなど木製の軸を組み合わせて建物を支える構法
間取りの自由度が高く、増改築が容易
- 枠組壁工法(2×4工法)
木材の枠組みに構造用合板を取り付けて建築する工法
木材の断面が2インチ×4インチであることが特徴
断面が小さく、釘打ちや金物を使用して組み立てられる - 耐震性に関する比較
木造建築の耐震性は、軸組工法と2×4工法で異なります。
軸組工法
木材の大きな柱や梁で構成され、耐震性に優れるが、建物の変形が大きい
変形により建物に隙間ができやすいため、雨漏りのリスクが高い場合がある
2×4工法
小さな断面の木材を使用し、釘や金物で組み立てるため、変形が少ない
隙間ができにくく、耐震性能が高いため、雨漏りの報告が少ない傾向
木造建築の雨漏りの原因と対策
雨漏りの主な原因は、劣化、腐食、たわみ、経年変化などが挙げられます。雨水が建築物内外に吹き込み、経年変化や自然損耗が進行することで、建物の耐久性が低下します。
雨水処理材料の選択不良
雨仕舞い(建築物内部に雨水が侵入しないようにする仕組み)が考慮されていない場合、雨水が建物内部に浸入し、雨漏りの原因になる可能性があります。
早めの防水メンテナンス
建物の外壁や屋根の防水性能を定期的に点検し、早めのメンテナンスを行うことで、雨漏りのリスクを低減させます
雨漏り対策と建物の寿命延長について
- コーキングの劣化による雨漏り
サッシ廻りのコーキング不良が雨漏りの主な原因の一つです。施工不良やコーキングの劣化により、風雨が建物内部に浸入し、雨漏りが発生する場合があります。
構造別の法的な耐用年数と建替え時期の目安
構造体や工法によって建物の寿命や建替え時期が異なります。管理状態が良好であるか否かで寿命が大きく変わり、経済的なメリットにも影響します。
構造・工法 | 耐用年数(住宅) | 建替え時期の目安 |
---|---|---|
RC・SRC(ラーメン構造) | 47年 | 築45年~60年(管理状態良好)、築30年~40年(管理良くない) |
RC・SRC(壁式構造) | 47年 | 築45年~60年(管理状態良好)、築30年~40年(管理良くない) |
鉄骨(軽量鉄骨・軸組み工法) | 27年 | 築40年~50年(管理状態良好)、築30年~40年(管理良くない) |
鉄骨(重量鉄骨造) | 34年 | 築40年~50年(管理状態良好)、築30年~40年(管理良くない) |
木造(在来工法・軸組工法) | 22年 | 築30年~40年(管理状態良好)、築25年~30年(管理良くない) |
木造(枠組壁工法) | 22年 | 築30年~50年(管理状態良好)、築30年~40年(管理良くない) |
メンテナンスを先手で行うことは、建物の寿命を延ばし、経済的なメリットにつながります。老後に老朽化した建物を抱えることや、次世代への不動産の引き継ぎについても考慮し、防水に高い意識を持つことが重要です。
大規模な防水工事をする前に考えること
建物の寿命が延びたとしても、いずれ建替えや大規模なリノベーションが必要になります。建替えか大規模なリノベーションをする際の判断のポイントを以下に示します。
判断基準 | 建替え | 大規模修繕 |
---|---|---|
容積率 | 余裕あり | 余裕ない |
立地・ロケーション | 将来性あり | 横ばい |
水漏れ・雨漏り | 慢性的に発生 | まだ悩みはない |
耐震 | 根本解決ができない | 経済的な補強手段がある |
老朽化進行具合 | 著しい | 手は打てる |
リフォームの工事費用 | 多額の費用掛かる | 効率的な費用配分ができる |
老後と次世代対策 | 次世代対策が大事 | 老後のことを考えたい |
賃貸経営の場合は、現状の入居者や賃料、相続・所得税などの要素も考慮して判断する必要があります。
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